光と風、色合いと動きのコーディネーター |
リフォーム工房みうら |
建築の中で個人住宅リフォームとはどのような位置付けでしょうか。
いままで地域の住宅は、地域の工務店が建て、さらにメンテナンスも担って来ました。
その中でリフォームは建替えまでの修理として行ってきた営繕的な改修が主体でした。
このため、そのような従来の考え方では現在のリフォームの実状を把握することはとても不可能です。
しかし、旧来の改修の中でも生活環境の変化による模様替えなどは、現在のリフォームの本質に通じていると言えます。
その違いは基本設計の比重が建物なのか什器・内装なのかによるところにあり、だからこそ従来の工務店経営の延長ではないリフォーム経営を区別して考えなければなりません。
その違いを考察し、リフォームに対する本質を考えていきたいと思います。
これからリフォームを携わろうとしている人、リフォームに携わっている人などすべての方々の意見を集約する中から、新しい時代に沿った住宅リフォームの普遍の定理を確立できれば幸いと思います。 |
住宅リフォームはリフォームをどの様にとらえるかによって解釈が違います。大勢はいまよりはより良く、使いやすく・美しく変えていこうと言う考え方ではないでしょうか。
旧来の建築工事の考え方では総予算があって、それに工事・商品を組み合わせていくのが主流です。リフォームは商品があって、それに合わせて工事が付いていくという考え方です。
しかし、もうひとつの考え方はリフォームとは今までの住宅改修工事の概念とはまったく一線を期すものです。
建築工事の一分野ではなく新しい分野として、新しいリフォームという独自のコンセプトを持つもの。
芸術にも作詞作曲家のような創作芸術とオーケストラの指揮者のような再生芸術が有ると思いますが、リフォームは後者に属するものと思います。
リフォームへの動機は色々あると思いますが、突き詰めて考えれば何をするのも全ては使いやすさの追求です。それは体に無理なく利用しやすいと言うことの追求です。
体が不自由な方の使いやすさ、お年寄りに便利な使いやすさ、目に優しい色・形など全ての条件が、健康に連結しているわけですから、リフォームとは健康に配慮することであり、すなわち「健康宣言」です。
それを私たちはリフォーム工房みうらの最大の企業コンセプト「健康宣言」として掲げています。
リフォームは、ある面では少しでも長生きしたいという要求をかなえる職業であり聖職ともいえます。
だからこそその職に携わる者は、目的の本質を充分に把握して”心してかかるべき”であると考えます。
高度経済成長期までの住宅は、地域密着型の工務店が代々の家を建て、メンテナンスを請け負ってきました。経済の発展とともに、ローンシステム等が発達し家が商品として売られ建売マンション等の増加、さらには注文住宅も住宅メーカーが生まれ、住宅建築の主力は、地域の工務店から建売、マンション、住宅メーカーへと比重を移してきました。その頃の住宅の改修工事は、修理をする営繕工事と言う考え方が主流でした。
壊れたから直す、現状復帰であり、建築工事の後追い工事でした。
高度経済発展の中で、建て主は利益率の良い新築に主眼をおき、手間隙の掛かるメンテナンスには目を向けなくなっていきました。
建て主の見えない住宅購入者はメンテナンスの頼み先がなくなっていきました。このような状況の中で営繕工事業また個別の商品販売形式の業者が誕生。営繕工事とは現状復帰の工事であり、また営繕とは別に改修工事業としてのリフォーム業が誕生してくるわけです。
それらの大方は商品別に分かれた営業活動を行ってきております。
外部 |
屋根・壁(塗装)・エクステリア |
水廻り |
キッチン・バス・洗面・トイレなどの設備業
マンションのユニットバス販売業者 |
内装 |
クロス・フローリング |
などに別れたリフォーム業として発生し、この頃から訪問販売の形式も発生してきます。
お客様のリフォームの要求は必要性からですが、その検討の過程の中でよりよい方向へ選択の幅を広げて行きます。それが部分的なことから全体の部分に広がりトータルのリフォームへと発展していくのです。
こうしてお客様は、意識の変化・生活様式の変化によりリフォームの多様化高級化を求めてきたのです。
メンテナンス営繕改修へ、生活水準の向上へ、住宅の商品の高機能化多様化へ、色・形など顧客の選択の幅拡大へ、などなど多様な要求によって不便の解消、高齢化対応、生活様式の変化に応えるリフォーム事業が脚光を浴びてきたのです。
住宅機器メーカーもリフォーム市場を開拓し、商品の高級化と共にリフォームはより高級化してきました。
商品の高機能化とユーザーの生活様式の変化によりリフォーム事業が一大産業として成立したのです。メーカーも住宅の一部の部品、什器の意識からそのものの利用価値を高めてきました。さらに商品の使い易さ、選択の幅を広げて「リフォーム」への広がりを喚起してきました。住宅機器メーカーはリフォーム事業をあらたに誕生させたことによって、より大きな産業に発展してきました。
バブル経済崩壊後、新築住宅の減少で、異業種からの参入など誰でもがリフォーム業界に参入してくるようになりました。仕事にあふれた人々もチラシ一枚で商売ができる気安さもあり、訪問販売、テレビなどで知名度を上げ、その信頼感を高額に売りつける手法も生まれました。さらにエスカレートして同じ人に手口を変えて高値で売りつける押し売り業者まで生まれ大きな社会問題にもなりました。
まさに「リフォーム」が脚光を浴びリフォーム市場が拡大し、その地位を確立させたのは、不況の産物ともいえると思います。
商店には、総合店と、専門店に分化されます。このため、ある程度の規模のリフォーム店は専門店として専門性を打ち出したほうが良いのではないでしょうか。
自分の長所を確実に把握し、他所との違いを最大限表現することが自分の特徴であり、ひいてはそれが「のれん」となってブランドを確立することです。
このため、お客様の声をお聞きする中からお客様の立場に立ったリフォームを提案するのがリフォーム工房みうらの経営指針です。私たちは次のようなチェックリストを作成してお客様との進行をすすめています。
□引き合いをとる
□店をアピールする「のれん」の構築
□現場調査をする
□現場寸法・構造の確認
□要望を聞く(何が希望か、何を求めているのか)
□資料を集める
□見積書を作る
□提案書を作成する
□プレゼンテーションをする
□最終商品の点検
□ショールームでの確認
□契約
□工程書を作成
□現場手配
□工程管理・現場管理
□引渡し
リフォーム工房みうらの5つのポイント
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(1) |
地域密着型の取り組み |
(2) |
旧来の提案手法とはまったく逆の工程。什器を主体にして、工事がともなう |
(3) |
その要素は健康に帰着する。 |
(4) |
設計の基本は光と風、色合いと動きのコーディネート |
(5) |
お客様の希望を忠実に再生する芸術と考える |
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まず技術的な説明は、なるべく簡素にして実践的な説明に特化することが大切ではないでしょうか。
お客様の要望を忠実に把握して、独り善がりに成らないように配慮します。
そして建築物には、使用材料によりそれぞれの特徴があり、それを最大に表現し提案することが肝要です。
リフォーム動機と本質
@故障したから取り替える
A使い勝手が悪いから取り替える
Bリフレッシュする
Cバリアフリーにする
D二世帯住宅
などお客様のリフォームをする動機を充分に把握することが求められます。
住生活の内容・住まいと外観デザイン・動線と平面計画・家族構成とスペース
住まいの構造(木造・RC造・鉄骨造・組積造とは)・バリアフリー(高齢者・弱者のための居住環境)などを検討。商品は自分が一番良いと思う物をお客様の立場で提案、お客様の要望を十分に把握し希望を忠実に表現するものです。
リフォームにおいてのプレゼンテーションは、商品の説明に尽きる訳ですが、その裏づけとして商品の研究・検証を行い、十分な知識が必要です。また工事における十分な理解も必要です。
商品は何を使うのか、どのような効果があるのかを明確にて一番と思うものを提示、工程管理、工事は細かく明確にわかりやすく説明。
5.リフォーム工房みうらの四つの基本原則(設計実務) |
リフォームを突き詰めて考えて見ますと、四つの基本原則に行きつきます。
それは光と風・動きと色合いのコーディネートです。
1.眩しい自然光、やわらかく包む照明 |
2.時の流れに合わせて呼吸するような自然の風、四季に合わせコントロールされた空調 |
3.安らぎと、適度な刺激を人に与える、色と形 |
4.居室どうしの段差、無理のない自然の動きの機器類、体に合わせた動線 |
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の組み合わせであります。
それは
光
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(自然光)窓からの日射建具越しの光
(人口光)スポットライト(強調)・ダウンライト(柔らかい光) |
風
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(自然換気)窓(自然の風の流れ)
(強制空調)暖房・冷房・換気(室温のコントロール・必要な風の確保) |
色
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(バランス)床壁天井(形を含む)(内装)
(感)調度品・・家具絵彫刻カーテン
(様式・バランス感)統一性クラシック調現代調 |
動
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(動き)段差作業制(上下の高さ)・間取り作業制(左右の幅) |
の協調と相反する事象の組み合わせのバランスに尽きます。
コーディネートとは、色を統一するだけでなく多くのいろんな色の組み合わせを考え美しく組み立てること、自然とは全ての色の組み合わせです。
インテリアコーディネーターとはインテリアをコーディネートすることであり、デザインを全面に出すものではなくトータルのバランスを重視につとめるべきです。
芸術にも二通りあり音楽でいうと作詞・作曲家のような創作芸術家、オーケストラの指揮者のような再生芸術家がありインテリアコーディネーターとは後者に属するものであり、自分の思い(主張)を強力に全面に出さないことが求められています。
まず次のような住宅機器・部材の商品研究を行う中で、リフォームの三要素を考えてまいります。
水周りリフォーム
キッチン・浴室・トイレ・洗面・給水・給湯・排水設備
内装リフォーム
洋室・和室・収納・照明器具・クロス・クッションフロア・模様替え・増築
外装・外溝・エクステリアリフォーム
外装塗装・門扉・ベランダ・テラス・塀・フェンス・屋根
ガーデニング
洋風庭園・和風庭園
防犯設備
1.商品の部分
希望する商品の選定(メーカー品とか現存する商品)
ユニットバス 給湯器 風呂釜 便器 洗面化粧台
システムキッチン 照明器具 収納家具 ドア
間仕切りドア 収納ドア フローリング コルク ジュータン
クッションフロア フロアタイル クロス ペンキ |
2.工事の部分
各種専門工事の者による工事
個人の希望に合わせた工事の管理
大工工事 水道工事 商品設定工事
電機工事 ペンキ工事 左官工事 クロス工事 |
3.設計の部分
個人の体(高さ)・動き(幅)・体感(五感)に合わせた設計 |
リフォームにおいてのプレゼンテーションは、商品の説明に尽きます。その裏づけとして、商品の研究・検証を行い、十分な知識が必要です。また工事における十分な理解が必要であり徹底的な理論武装が必要です。
提案書とは、商品の明細・工事の明細・プレゼンボードであり、お客様への最大のアピールになる重要なものです。
このためリフォームとは
美しさを追求、
費用対効果のバランス、ニーズの把握、
自分の特徴を十分に把握し表現すること、
リフォームに対しこだわりを持ちそれを表現することがリフォーム工房みうらの考え方です。
そして健康(精神的・肉体的)で長生きのためのリフォームであって、単に壊れたから直すということだけでなく、限られた予算の中で最大限の使いやすさ・快適さを追求することがリフォーム工房みうらの健康宣言なのです。
十分な資料を持ち、分かりやすい提案書を作り、お客様にプレゼンテーションするわけですが、業者が帰った後、施主様がひとりで見ても充分に理解できる提案書をつくることが、リフォーム工房みうらの究極のコンセプトなのです。
(文責 三浦 徹)
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